認知症あんしんガイド

仕事と介護の両立を支える:家族が利用できる制度と相談先ガイド

Tags: 仕事と介護, 両立支援, 介護休業, 公的サービス, 相談先

導入:仕事と介護、一人で抱え込まないために

親御さんが認知症と診断され、今後の生活に不安を感じていらっしゃるご家族にとって、仕事と介護の両立は大きな課題の一つでしょう。多くの方が「今まで通り仕事は続けられるだろうか」「介護に専念すべきなのか」といった葛藤や、先の見えない不安を抱えています。

しかし、ご安心ください。仕事と介護を両立するために利用できる制度やサービス、そして相談できる専門家が多数存在します。この記事では、認知症のご家族を介護しながら仕事を続けるための具体的なヒントと、活用できる制度、そしてどこに相談すれば良いのかを分かりやすく解説します。一人で抱え込まず、適切なサポートを見つけるための第一歩を踏み出しましょう。

1. 仕事と介護の両立を成功させるための心構え

仕事を続けながら介護を行うことは、ご自身の心身にも大きな負担がかかる可能性があります。両立を成功させるためには、いくつかの大切な心構えがあります。

2. 仕事と介護の両立を支える会社の制度

労働者の「仕事と介護の両立」を支援するため、国は企業に対し様々な制度の導入を義務付けています。まずは、ご自身が勤務している会社の就業規則を確認し、利用可能な制度があるかを確認しましょう。

2.1. 介護休業制度

要介護状態の家族を介護するために、一定期間仕事を休むことができる制度です。

2.2. 介護休暇制度

要介護状態の家族の世話や通院の付き添いなどのために、短期間休暇を取得できる制度です。

2.3. 短時間勤務制度

介護が必要な家族がいる場合、所定労働時間を短縮して勤務できる制度です。

これらの制度以外にも、会社によっては独自の柔軟な勤務制度(時差出勤、在宅勤務など)を設けている場合があります。まずは人事部門や上司に相談し、情報を集めることが大切です。

3. 仕事と介護の両立を支える公的なサービス

会社の制度と並行して、公的な介護サービスを上手に活用することも、仕事と介護の両立には不可欠です。

3.1. 地域包括支援センター

地域包括支援センターは、高齢者の生活を総合的に支援するための地域の拠点です。保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーなどの専門職が常駐しており、以下のような相談に対応してくれます。

介護に関する最初の相談先として、地域包括支援センターを訪れることを強くおすすめします。

3.2. ケアマネジャー(介護支援専門員)

介護保険サービスを利用するためには、ケアプランの作成が必要です。ケアマネジャーは、ご本人やご家族の状況に合わせて、最適な介護サービス計画(ケアプラン)を作成してくれる専門家です。

ケアマネジャーは、多岐にわたる介護サービスの中から、ご家庭に合ったものを提案し、手続きをサポートしてくれます。

3.3. 主な介護保険サービス(在宅サービスの一部)

これらのサービスを組み合わせることで、ご家族の介護負担を軽減し、仕事に集中できる時間を確保することが可能です。

4. 具体的な相談先

「どこから手をつけていいか分からない」と感じたら、まずは以下の相談先に連絡してみましょう。

結論:一人で抱え込まず、サポートを活用して前向きな両立を

認知症のご家族を介護しながら仕事を続けることは、決して簡単なことではありません。しかし、ご紹介したように、利用できる制度やサービス、そして相談できる専門家が多岐にわたります。

大切なのは、「一人で全てを抱え込まない」という意識です。ご自身とご家族の状況を冷静に見つめ直し、利用できるサポートを積極的に活用することで、仕事と介護の負担を軽減し、より前向きな気持ちで両立を目指すことができます。

まずは地域の地域包括支援センターや会社の担当部署に相談することから始めてみませんか。きっと、あなたの力になってくれるはずです。